# METHOD v1.1 追補 — エピソード境界規則の形式化 為替介入研究所 | **v1.1 追補: 2026-08-27 凍結** | 状態: 確定(所長承認済み) 本体: METHOD-v1.0(測定・判定の方法)。本追補は §2.2「エピソードの定義」に一般則を追加する。 > **本追補は凍結済みである。** 次の介入事象が確定するより前に規則を確定し、 > SHA-256とOpenTimestampsにより「規則が事象に先行して存在した」ことを第三者が検証できる状態に置いた。 > エピソードの区切りは、効果半減期・Impact・+α判定のすべての入口である。 > 事象を見てから境界規則を決めれば、そこから先の全指標が事後的に選ばれたことになる。 --- ## 一 埋めるべき穴 WP-001 §7.2 は次を自認していた。 > エピソード境界には客観的基準がない。何営業日で別エピソードとするかは著者の判断である(一般則はMETHOD v1.1で形式化予定)。 「予定」のまま形式化されていない。実測すると、穴の位置は次のとおりである〔FACT〕。 | | 実測値 | |---|---| | 級内の最大間隔(同一エピソード内の介入日どうし) | **2営業日** | | 級間の最小間隔(前エピソード最終日→次エピソード初日) | **21営業日**(E1→E2) | すなわち **3〜20営業日の間隔で再介入が起きた場合、現行の方法では同一エピソードか新エピソードかを判定できない。** ## 二 検討し、採らなかった案 ### 2.1 効果の生死で境界を引く案(不採用・循環) 「前回介入の効果が生きている間(50%回復線に未到達)の再介入は同一エピソード」とする案を検証した。**循環するため採用しない。** 50%回復線はエピソードのImpact(初回介入日の高値−エピソード中の最安値)から計算されるが、Impactはエピソードが確定しないと定まらない。エピソード未確定の段階で暫定Impactを用いると、介入初日だけの狭い値幅で線が引かれ、翌日の戻りで容易に「効果消滅」と判定される。 実測: E3(2024-04-29)の単日Impactは5.705円、50%線は157.380。翌4/30の終値157.814がこれを上回るため、本案では**E3が4/29と5/1の2エピソードに分割される**。現行分類と矛盾する〔FACT〕。 ### 2.2 固定N営業日案の識別可能性(採用するが、データではNを決められない) 「最終介入日からN営業日以内の再介入は同一エピソード」とする案について、N=2〜24を走査した。 **N=2〜20のすべてが既存6分類(E1〜E6)を完全に再現する。** N=21以上ではE1とE2が統合され再現しない〔FACT〕。 したがって **既存データからはNを一意に決められない。** データに合わせてNを選ぶことはできないため、**データ外の制度的根拠**によって決める必要がある。 ## 三 採用する規則 ### 3.1 定義 > **前エピソードの最終介入日から起算して5営業日以内に次の介入が行われた場合、同一エピソードとする。6営業日以上空いた場合、新エピソードとする。** 営業日は週末を除く。日本の祝日は、価格系列が存在するため含める(PR-001 §3.4と同じ扱い)。 ### 3.2 N=5 の根拠 — 当所が既に凍結した測定規則から導く WP-001 §3.4 は日別分析を撤回した理由の一つとして次を挙げている。 > **連続介入日の「前速度」は前日の介入で汚染される。** 「前速度」はMETHOD-v1.0 §2.3により**直前5営業日の終値5本から得た4つの差分の絶対値平均**と定義されている。すなわち、**ある介入日の前速度が前回介入の影響を受けなくなるのは、前回介入から5営業日を超えたときである。** したがって N=5 とは、「**当所の測定量が互いに独立になる最小の間隔**」を意味する。この根拠は次の性質を持つ。 - **既に凍結された定義(METHOD-v1.0 §2.3)のみから導かれる**。今回の分類対象データを一切参照しない - 外部の暦や制度(月次公表の区切り等)に依存しない - 検証可能である(前速度の窓を変えれば N も変わる、という形で反証しうる) ### 3.3 採らなかった他の根拠 - **T+2(決済サイクル)→ N=2**: 級内最大が既に2営業日であり、1日ずれただけで別エピソードとなる。過度に狭い - **財務省の月次公表期間 → 約20営業日**: 区切りが月ごとに動き暦に依存する。当局の開示単位であって市場行動の単位ではない ## 四 凍結前の含意開示(第58条) **規則を選んだ後に、その含意を確認した。順序を明示する。** N=2〜20のすべてで既存E1〜E6の分類は同一である。**すなわち今回のNの選択は、過去の分類を一切変えない。** 変わるのは将来の事象の分類のみである。 具体的に、当所が現在把握している未解明事象について次の含意が生じる。 - 2026年8月19日の日銀・財政等要因が−2兆2,700億円と前後の約3倍に膨らんだ。決済T+2なら取引日は**2026年8月17日**にあたる。介入の有無は未確認〔UNVERIFIED〕 - E6の最終介入日2026-08-03から8/17までは**10営業日** - 本規則(N=5)では、**仮に8/17の介入が確定した場合、E6とは別の新エピソード(E7)となる** **この含意は規則の選択理由に含まれていない。** N=2〜9のいずれでも同じ結論になり、N=10以上では同一エピソードとなる。したがって「Nの選択が8/17の分類を左右する」という事実自体を、凍結前に開示する。 ## 五 適用範囲と遡及 - 本規則は**将来の事象および既存E1〜E6の両方に適用する**。既存分類は変わらない(四のとおり) - 適用の起点は本追補の凍結日とする - 凍結後の N の変更は行わない(会則第19条)。変更する場合は新たな追補として起草し、変更理由と、変更が過去の分類に与える影響を明示する ## 六 識別できないもの - 当局が内部でどのような単位で「一連の操作」と認識しているかは公表されておらず、本規則はそれを推定するものではない - 本規則は**測定上の区切り**であり、政策意図の区切りではない - 介入の有無そのものは本規則の対象外である。財務省の公表(月次総額・四半期日次内訳)による --- ## 凍結時の承認記録(所長) 2026-08-27 に次の全項目を承認のうえ凍結した。 ① N=5 を採用(根拠: WP-001 §3.4の撤回理由+METHOD-v1.0 §2.3の前速度定義) ② 循環を理由に「効果の生死」案を採らない ③ 既存E1〜E6に遡及適用しても分類は変わらない(実測確認済み) ④ 四の含意開示(8/17が確定した場合E7となる)を凍結前に公開する ⑤ 凍結日程: 2026-08-28 19:00(財務省の月次公表)より前に完了 ## 版履歴 - **v1.1 追補(2026-08-27)**: 所長承認のうえ凍結。 エピソード境界規則を形式化。WP-001 §7.2が「予定」としていた項目を確定。